2011年12月19日

"Stand By Me"を弾いてみよう 〜はじめに編〜

Editer Naoki Inoue (Sonascribe)
こんにちは!Sonascribe(ソナスクライブ)の井上 直樹です!
今回はSonascribe 1stシングル"Stand By Me"の奏法について紹介します。

オリジナルはソウル歌手ベン・E・キングが1960年代に発表した代表曲!
1980年代には、俳優リバー・フェニックス出演の同名映画でも使われリバイバルヒットとなりました。
ジョン・レノンや映画「ライオンキング」のティモンとプンバなど数多くの音楽家が演奏しており、
多くの世代の方々に馴染みのある楽曲だと思います!
原曲では♪ボボ ボッボ〜♪とイントロから流れるベースラインが印象的ですが、
Sonascribeバージョンではオリジナルとは違うベースラインに弾くことに挑戦しました。

伴奏はベース、パーカッション、コードと3つのパートをギター1本で演奏しており、
この楽曲ではイントロからベース、パーカス音、コードと1つずつ楽器が増えていく表現に挑戦しました。
記事にはコード進行、コード表を掲載しましたので少しでも参考になっていただけると嬉しいです。




奏法紹介の前に今回は“Stand By Me”のコード進行をご紹介します。
この楽曲は主にA、F#m、D、Eの4つのコードで作られています。
SonascribeバージョンではコードAをA△7、F#mをF#m7とジャズの楽曲で多く使われる
響きを取り入れてみました!



次にコード表をご紹介します。(はルート音です)


A△7は6弦を人差し指 4弦:薬指、3弦:小指、2弦:中指 
F#m7は6弦:中指 4,3,2弦:人差し指

コードDとEには、5弦ルート、6弦ルートの2パターンあります。
5弦ルートは、を人差し指 4,3,2弦:薬指
6弦ルートは、を薬指 4,3,2弦:人差し指

僕はこの6弦ルートの押さえ方に馴染みがなく、とても押さえにくいモノでしたが、
この楽曲の演奏上、必要な押さえ方のため苦労しました...。

次回から僕が実際に弾いている奏法をご紹介して行きます。
まずはイントロ編からスタートです。


[ミュージシャンズ コラム]
ギターのデフォルトにとらわれない弦とボディの組み合わせと可能性
Editor : Shige Okusawa (Acousphere)

ギターには様々な種類のものがある。
それらは材質やデザインが異なるものであり、それぞれに長所短所を持ち合わせ、音楽のスタイルを決定するのに重要な役割を担っている。
カントリーミュージックを演奏するならマーチンのようなフラットトップギターが似合うだろうし音もマッチする。
ボサノヴァを演奏するならナイロン弦がはってあるクラシックギターがよく似合う。

ギターは長い年月の間にギターのデザインや音色、弦などの相性が磨き込まれて今の形になった。
だから買って来たそのままの状態で弾くのが一番ギターの特性を活かした良い音がする。
そして王道の演奏を行う事ができる。
が、ゆえに過去の偉人達が作った価値観の音楽を継承する以外にすべがなくなってしまうのも事実だ。

自分もクラシックギターを弾いてメロディやアドリブを弾いていた時期があるが、ナイロン弦特有のサステインのない音色はあたたかみは素晴らしいものの、音が伸びないためにどうしてもフレーズが淡白になりやすく、それを補う為にたくさんのノートを次から次へと弾くようになってしまい、「早弾き至上主義」に陥ってしまっていた。
また伴奏で使っても同様にサステインのなさからパーカッシヴな演奏になりやすく、バラードやルバートなどの演奏に踏み込めない時期が長く続いた。
当時はそれを自らの未熟さと認識していたのだが、長く音楽活動をやってきて改めて振り返ってみるとギターそのものによって与えられていた束縛だったように思える。

その頃から少しずつギターというプロダクトの現在の姿に対して懐疑的になってきた。
そう、ギターという楽器はまだまだ未完成形なのではないかと。
懐疑心は好奇心に変わり、ギターというプロダクトに新しい試みを繰り返すようになった。
ピックアップの交換、アクティブ化などなど限りなく現在も試行錯誤を繰り返しているが、もっとも簡単にできて大きな効果を上げたのが「新しい弦の組み合わせ」だった。

既存の組み合わせではない弦を張るという事だけで、ギターは全く新しい側面を見せてくれる。
そしてその新しい音色が魅力的に響き、新しい音楽の創造へと誘ってくれる。
現在Acousphereはアーチトップギターに対してナイロン弦を張ったものをメインにしている。
フラットトップのような急激なピークが無いアーチトップのおかげで、ナイロン弦ギターの短所であるサステインの短さを解消する事に成功した。
おかげで非常に「歌うギター」になった。